夏野の驚異の部屋

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大理石の柔肌 ”究極の質感表現” ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ について

どうも皆さんこんにちは。

8月も終わって今日から9月ですね~なんとなく寂しいです(^_^;)

篠虫です。

 

 

今回は、バロック期を代表する偉大な彫刻家のお話です。

 

 

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『自画像』キャンバス、油彩 1630-35年、ボルゲーゼ美術館

 

 

 

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経歴

 

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、1598年12月7日生まれ、ナポリ出身の彫刻家であり建築家であり画家です。

父親は彫刻家・ピエトロ・ベルニーニで、親子共に彫刻を得意としました。

 

 

1605年にローマに移り、ピエトロは枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼをパトロンとして活動したことで、ジャン・ロレンツォの才能を早くからアピールすることが出来ました。

 

 

年若いジャン・ロレンツォは、父親のサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂での仕事ぶりや他の画家や彫刻家、建築家達との共同制作現場から、そうした複数の芸術家による制作体制、絵画・彫刻・建築が1つになった図像学的・建築的計画の融合を詳しく学ぶのに絶好の機会を得ることが出来ました。

 

 

これらは後のジャン・ロレンツォの仕事に多大な影響を与えました。

 

 

ちょうどこの時代17世紀初頭のローマでは、多方で歴史に名を残す芸術家達によって芸術革新が模索されていた時代でもありました。

 

 

ジャン・ロレンツォはその後、人生を3人のローマ教皇の時代に過ごしました。

 

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作品

 

 

若くしてすでに天才的な才能を発揮していたベルニーニは、父のパトロンであった枢機卿シピオーネ・ボルゲーゼのために4体の傑作彫刻を制作しています。

 

それがアイネイアースとアンキーセース』『プロセルピーナの略奪』『ダヴィデ』『アポロとダフネ』です。

 

 

 

 『アイネイアースとアンキーセース』

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アイネイアースとアンキーセース』大理石 高さ220cm 1618-19年 ボルゲーゼ美術館

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別角度

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詳細




 『プロセルピーナの略奪』←私オススメ!!!

 

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『プロセルピーナの略奪』大理石 高さ295cm 1621-22年 ボルゲーゼ美術館

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別角度

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『プロセルピーナの略奪』で最も注目すべきはここ!!

 

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大理石で作られた手が、同じく大理石の硬い肌に掴まっているはずが、女性の柔らかい肌と肉感が完璧に表現されています。

冥界の王プルートが無理矢理プロセルピーナを引き寄せている場面を著した作品ですが、プルートの手がプロセルピーナの腰の肉に食い込む表現!

 

硬いはずの大理石を使って、ここまで柔らかさを表現できるのは彼くらいしかいないでしょう。

 

私個人の評価では、最も素晴らしい彫刻作品ベスト3には確実に入る傑作です!

 

 

 

ダヴィデ』

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ダヴィデ』カララ大理石 高さ170cm 1623-24年 ボルゲーゼ美術館

 

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別角度

 

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詳細1

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詳細2




 

『アポロとダフネ』←私オススメ!!!

 

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『アポロとダフネ』カララ大理石 高さ243cm 1622-25年 ボルゲーゼ美術館

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『アポロとダフネ』は、ギリシア神話における一場面です。

美しいダフネに惚れ込み求愛を繰り返す太陽神アポロでしたが、彼が彼女に触れた瞬間、ダフネは手の先は木の枝へになり、身体は樹皮で覆われてしまいやがて一本の月桂樹へと変身してしまいます。

 

ジャン・ロレンツォは、正にダフネが月桂樹へと変化する瞬間を切り取り、彫刻作品へと仕上げることに成功しました。

 

アポロとダフネの表情、身体の躍動感ある表現とバランスは当時のローマ市民にも”奇跡だ”と賞賛されました。

 

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こうした作品の評価を受けて、時の教皇ウルバヌス8世から仕事を受けるようになります。

 

その中でも特筆すべき作品がバチカン市国内のローマカトリックの総本山、サン・ピエトロ大聖堂内にある天蓋です。

 

 

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サン・ピエトロ大聖堂の天蓋 ブロンズ、一部金箔 1624年

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教皇の出身家・バルベリーニ家の紋章である蜂がちりばめられたらせん状の円柱をもつブロンズの巨大天蓋



しかし、順調だった彼は自身が設計担当したサン・ピエトロ大聖堂の鐘塔に大きな亀裂が見つかったことが一大スキャンダルとなり、それまで周囲の芸術家から買っていた不満が爆発、”見かけだけで実用的ではないベルニーニ”と非難されてしまいます。

 

 

 

次の教皇インノケンティウス10世の時代、ベルニーニの人気は落ちてしまいます。

 

しかし、この時期にもいくつもの素晴らしい作品を制作しています。

 

特に17世紀の芸術を代表する作品、ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会(勝利の聖母マリア教会)内、コルナロ礼拝堂の聖テレジアの法悦』バロック美術、最重要の傑作の1つです。

 

 

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聖テレジアの法悦』大理石 1647-52年 コルナロ礼拝堂,サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア教会

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全体

 

コロナ礼拝堂はベルニーニが1からデザイン・内装を手がけた総合芸術作品で、その中央に位置する祭壇にこの彫刻は置かれています。

 

 

 

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祭壇とその周囲

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向かって右側の「目撃者たち」の彫刻



主題は修道女・聖テレジアが執筆した自叙伝内の神秘体験をもとにしており、「法悦」とは一種の宗教的エクスタシーのことです。

 

作品の解釈は様々ありますが、

「ベルニーニ自身も宗教的歓喜と肉体的悦楽は等価値としているものの、性的事象はテレジアやベルニーニにとってさほど重要なことではなく、世俗からより神聖な世界への感情を呼び起こす表現である」というような解釈が、適切ではないかと考えます。

聖テレジアの法悦 - Wikipedia

 

 

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詳細




 

また1644年には、ローマ・ナヴォーナ広場に『四つの川の噴水』を制作しました。

 

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『四大河の噴水』トラバーチン、大理石 1648-51年 ナヴォーナ広場,ローマ

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全体

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ここからは時代ごとにいくつか作品を紹介します。

 

 

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『雌山羊アマルティアと幼いジュピターとファウヌス』大理石 高さ44cm 1615年 ボルゲーゼ美術館



 

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バッカスの信者:子供達に罵倒されるファウヌス』大理石 132.1cm 1616-17年 メトロポリタン美術館

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別角度

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『呪われた魂』大理石 1619年 ローマ

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別角度




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カーミラ・バルバドリの胸像』大理石 77cm 1619年 コペンハーゲン国立美術館



 

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ネプチューントリトン』大理石 高さ182.2cm 1620年 ヴィクトリア&アルバート美術館蔵

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別角度

 

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教皇ウルバヌス8世の墓碑』ゴールデンブロンズ、大理石 1627-47年 サン・ピエトロ大聖堂

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全体




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『祭壇の十字架』ブロンズの十字架、ブロンズに金箔の遺体 遺体:43cm 十字架:185cm 1657-61年 サン・ピエトロ



 

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教皇アレクサンデル7世の墓碑』大理石、金箔を施したブロンズ 1671-78年 サン・ピエトロ大聖堂

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詳細



 

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福者ルドヴィカ・アルベルトーニ』大理石 1671-74年 サン・フランチェスコ・アリーパ教会

聖テレジアの法悦』と同様のテーマを扱った作品。衣服のしわの表現、なんともいえない表情はリアリティを感じさせます。

 

 

 

 

ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは18才から81才まで60年あまりの長い年月、活躍し続けた珍しい芸術家でした。

 

 

その功績は当時から今まで認められている物であり、イタリアの紙幣の顔にもなったほどです。

 

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1984年から1999年まで発行された50000イタリア・リレ

 



私もいつかは作品を生で見てみたいです!

 

出来ることなら触ってみたい・・・(^_^;)

 

 

 

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さて、いかがだったでしょうか?

 

思った以上に書くのに時間がかかってしまい投稿時間も遅くなってしまいました(~_~;)

 

もっとも早く書けるようになりたい・・・

 

 

それではまた!

(。・_・)ノ

 

 

 

 

 

ベルニーニ (イタリア・ルネサンスの巨匠たち―バロックの誕生)

ベルニーニ (イタリア・ルネサンスの巨匠たち―バロックの誕生)

 

 

 

 

 

Bernini

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