夏野の驚異の部屋

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”自分とは一体何なのか” 考えさせられる本『私はすでに死んでいる―ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』紹介&感想

どうも皆さんこんにちは。

昨日は朝から異常に眠かった…(-o- )

篠虫です。

 

 

今回は、最近読んで面白かった本のお話。

 

 

前回記事

natuno-wunderkammer.hatenablog.jp

 

 

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近頃ハードカバーをいくつか買ってしまって、全然消化しきれていないんですが、その中でも読了しているものを紹介します。

 

 

 

 

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

 

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

 アニル・アナンサスワーミー・著 藤井留美・訳 春日武彦・解説

紀伊国屋書店 2018年

 

 

 

表紙と言いタイトルと言い、なかなかに衝撃的な本ですよね(笑)

 

 

実際に中身もかなり刺激的な話ばかりでした。

 

 

この本のテーマが、自己とは一体何なのか」をいくつもの精神病を具体例に上げ多角的に「自己」を作り上げているものを探す、となっています。

 

これだけ聞くと、哲学的あるいは心理学な内容の本っぽいですがちょっと違います。

メインの内容は”精神病”なんです。

 

 

 

各章の題は以下の通りです。

 

 

第1章 生きているのに、死んでいる―「自分は存在しない」と主張する人々

第2章 私のストーリーが消えていく―ほどける記憶、人格、ナラティブ

第3章 自分の足がいらない男―全身や身体各部の所有感覚は現実と結びついているのか?

第4章 お願い、私はここにいると言って―自分の行動が自分のものに思えないとき

第5章 まるで夢のような私―自己の構築に果たす情動の役割

第6章 自己が踏み出す小さな一歩―自己の発達について自閉症が教えてくれること

第7章 自分に寄り添うとき―体外離脱、ドッペルゲンガー、ミニマル・セルフ

第8章 いまここにいる、誰でもない私―恍惚てんかんと無限の自己

 

 

長いのでカットしていますが、それぞれの章で扱われている具体的な症例名が副題に書かれています。

 

 

例えば1章で登場する「コタール症候群」。

ゾンビ病”と俗的に呼ばれることもある珍しい病気です。

 

コタール症候群の患者は、「自分はもうすでに死んでいる」と思い込み、次第に食事や睡眠などを足らなくなっていってしまうという世にも変わった症状です。

さらに患者は医者や家族に「あなたは生きている」と説得されても、理解をしめさずかたくなに「死んでいる」ことを主張してしまうのです。

 

本文で、

自殺未遂後、脳の死という間違った思い込みをするようになった患者を治したい担当医の方が、脳が死んでいると言う患者に対し、いくつかテストと検査を行なった結果精神機能には問題がないことがわかりました。

 

なので医者は患者に言いました。

 

医者「つまりきみの精神は生きているというわけだね」

患者「そうです。精神は生きています」

医者「精神は脳と密接に結びついているのだから、脳も生きているのでは?」

患者「いやいや、精神は生きていても脳は死んでます。自殺未遂をしたあの浴槽で死んだんです」

『私はすでに死んでいる―ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』15ページ1行~5行目から抜粋

 

 

上記のやりとりでわかるように、患者はそれほどまでに強く「自己の脳の死」を思い込み訴えているんです。

 

 

 

第3章では、自分の手足等が他人のものに思えて仕方がなく、それらを切り離したいという強迫観念に駆られる身体完全同一性障害(BIID)」という病気が紹介されてます。

とあるBIIDの患者が、非公式にBIID患者の手足切断手術を行なってくれるある医師を訪れ、手術を受けた後までを筆者が取材した話は、非常に興味をそそられ色々と考えさせられました。

 身体完全同一性障害 - Wikipedia

 

 

その他の章には、認知症統合失調症離人症自閉症スペクトラム障害自己像幻視、恍惚てんかんが具体症例として紹介されています。

 

 

 

 

感想

 

こんなことを言っては不謹慎かも知れませんが、事実は小説よりも奇なりとは正にこのことか、と思うほど不思議で謎に満ち面白い内容でした。

 

 

ただ、出てくる言葉はとにかく研究者の名前や医学や科学に関する用語が登場するため、理解するのに時間がかかりました。

 

加えて、テーマである「自己とは何か」がやや抽象的というか哲学的でやや難解で…(~_~;)

 

理解力と読書スピードが低い私には厳しかったです。。。

 

 

ですが負担を背負ってでも読み進めたい、面白さが確かにありました。

 

 

 

どの病気も研究途中であり、そこから見つめる”「自己の存在」を定義するなにものか”は紀元前から施行され続けても結論が出ていないほど、さらに複雑で一朝一夕で解決する問題ではありません。

 

 

それでも我々とは異なる世界で生きている”彼ら”を通して見ると、今まで見えてこなかった世界が、思想が、経験が、こちらへ突き抜けてくると思います。

 

 

 

本文が約300ページと厚めですが、興味のある人はぜひご一読!

 

 

 

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さて、いかがだったでしょうか?

 

前回の『サピエンス全史』と同じく、もう一度繰り返して読みたい本ですね~

 

 

あまり本について詳しい話をしていない気がしますが・・・

 

まあ良いでしょう!(^_^;)

 

 

それではまた!

(。・_・)ノ

 

 

 

 

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳

私はすでに死んでいる――ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳