夏野の驚異の部屋

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よく見ると隠された意味が!! 葛飾北斎『百物語 しうねん』

どうも皆さんこんにちは。

今日はひたすら暑かったですが、運動したおかげで5kgは痩せた気が。

篠虫です。

 

 

今回は北斎『百物語』シリーズ、いよいよ最後です!

 

 

前回までの記事

 

第1回

natuno-wunderkammer.hatenablog.jp

 

第2回

natuno-wunderkammer.hatenablog.jp

 

第3回

natuno-wunderkammer.hatenablog.jp

 

第4回

natuno-wunderkammer.hatenablog.jp

 

 

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では、早速絵の方を見ていきましょう。

 

 

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葛飾北斎 『百物語 しうねん』 中判錦絵 天保(1830~44)初期



・・・これまでの4枚とはまた雰囲気の異なる絵ですよね。

 

最初に目を引くのは1匹のです。

模様と頭の形からして「蝮(マムシ)」でしょうか。

 

その頭の近くには水(もしくはお酒?)で満たされた「卍」紋入りの器。水面にはが一枚浮いている。

蛇が巻き付いているのは、位牌砂糖菓子のお供え物か。

 

位牌には「時于応天輔之革 茂問爺院無嘘信士 空 御正月日侍咄」の文字が。

戒名の茂問爺(ももんじい)は鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』に登場する妖怪・百々爺(ももんじい)の音を当てたもので、一番上の梵字人の横顔になっている。

「時于応天輔之革」とあることから天保初期の作と考えられている。

参考:『大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで』東京都江戸東京博物館編集 2016年 読売新聞社発行

 

 

 

うーん、正直位牌の文字は意味がよくわかりません(笑)

私の勉強不足で江戸時代の言葉がわからないので...すみませんm(_ _)m

 

 

 

では、もう少し絵について見てみましょうか。

(ここからは私の推測も含みます)

 

題の「しうねん」とは、恐らく「執念」のことです。

蛇は一度相手を締付けると放さないことから、”執念深さ”を表しているんだと思われます。

当時は浄瑠璃や歌舞伎の演目でも、無理心中などの悲恋物なんかが人気でもあったので、人々の関心も「恨み辛み」「呪い憎しみ」に向いていたのかも知れません。

前回のお岩やその前のお菊の話は正にそうですよね。

 

上記でも説明した、位牌の戒名が妖怪「百々爺」に由来しているというので、

百々爺を調べてみると、その鳥山石燕『今昔画図続百鬼』の当該図面にはこうあります。

 

百々爺未詳 愚按ずるに 山東に摸捫ぐは(ももんぐは)と称するもの 一名野襖(のぶすま)ともいふとぞ 京師の人小児を怖しめて啼を止むるに元興寺といふ もゝんぐはとがごしとふたつのものを合せてもゝんぢいといふ
原野夜ふけてゆきゝたえ きりとぢ風すごきとき 老夫と化して出て遊ぶ 行旅の人これに遭へばかならず病むといへり

百々爺 - Wikipedia

 

・・・古典は得意じゃなかったのですが、wikiには解説も載っていました(^_^;)

簡単に訳すと、

石燕は、百々爺については「未詳」としながらも、”ももんぐは”と”野襖(のぶすま)”とも呼ばれている。また”ももんぐは”と”がごじ”という幼子を怖がらせる2種の妖怪の名前が合わさって「ももんじい」になった、としています。

夜の原野に出没する妖怪で、老人の姿に化け出て怖がらせるという。そしてこれと出会った人は病に侵されるらしいです。

 

”ももんぐは”は関東地方で”化け物”を意味する幼児語で、”がごじ”も同様に、徳島県で”妖怪”を意味する児童語でした。

 

ちなみに”ももんぐは”と”野襖(野衾)”は、日本の動物「モモンガ」の語源になったと言われています。

野衾 - Wikipedia

 

 

ここで疑問に思うのは、

どうして北斎は「百々爺」の音をとって『しうねん』という絵の中に書いたのでしょうか?

 

百々爺という妖怪の性質から見ても「執念」とは特に関係がなければ、蛇も関係ありません。

 

本当はもっと違う意味が込められているのに、現代人にはそれが読み解けないのかも。

もしくは見つかっていない他の『百物語』絵にヒントが隠されているとか......

 

考え出すといろいろ出てきて面白いですね!

 

 

いつか謎が解ける日が来るのを待ちましょう!!

 

 

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さて、いかがだったでしょうか?

 

今回で、北斎『百物語』シリーズは終わりです。楽しんでいただけたでしょうか?

 

ですが、まだまだ紹介したい妖怪・幽霊画はたくさんあるので、今後もお楽しみに!

 

 

それではまた。

(。・_・)ノ